いよいよベテランが調子を上げてきた。4日に今季初の1軍登録された楽天今江年晶内野手(35)が、2度目の猛打賞で3打点と打線をけん引。

チームも今季最多となる13点を挙げて日本ハムを圧倒した。目の病気で開幕こそ出遅れたが、夏場を前にコンディションはグングン上昇。頼りになる男の活躍はチームにとってこれ以上ない朗報だ。

今江のバットの勢いが止まらない。3回に右翼へ、6回には左翼へそれぞれ適時打。迎えた9回無死一塁の場面では、ロッテ時代の同僚、日本ハム藤岡の141キロ直球をジャストミート。あと少しで本塁打というフェンス直撃の左二塁打を放った。

今江は「たまたまなんですよ(笑い)。そのたまたまが続いてくれたらいいなって感じ」と報道陣を笑わせた後「その中で打席でもいろいろ考えながらやっている。今日は次の打席、次の打席につながったと思います」と手応えを口にした。

キャンプ直前、物がゆがんで見えるという「右眼球中心性漿液(しょうえき)性脈絡網膜症」と診断された。2軍調整が続き、今月4日にようやく1軍に復帰。だがまだコンディションは100%ではない。目ははっきりと見えるものの「体は思うように完璧には動いてない。その中でやりくりしているんで」という。

だが、ベテランの存在がチームを活気づけているのは間違いない。楽天はこの日、浅村の3ランなどで今季最多13得点をマーク。平石監督も「ここのところ逆転勝ちが多かったので、久しぶりにちょっと楽な展開だった。野手が最後まで集中力を切らさず、四球を取れるところはしっかり取ってくれていましたし」と攻撃陣に及第点を与えた。

一方、守りではこの日、左腕塩見が昨年7月以来となる今季初勝利。週末には岸も、左太もも裏違和感からの復帰登板を果たす予定だ。今江、塩見、岸と次々に主力が復活する楽天。ここから夏場に向け、大いに期待できそうだ。【千葉修宏】