東洋大・村上頌樹(しょうき)投手(3年=智弁学園)が亜大相手に9回2死までパーフェクト、10回1死までノーヒットノーランという快投で、延長11回1安打1四球の完封勝利を挙げた。援護がなく大記録は逃したが、自己最速を1キロ更新する149キロ直球を軸に14奪三振で、リーグトップを走る6勝目。先勝した東洋大は、23日にも2季ぶり20回目の優勝が決まる。勝ち点5の完全優勝なら、16年秋の日大以来となる。

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神宮にため息が漏れた。9回2死、亜大・矢野に対しフルカウント。村上は「同点だし、四球でもいいや」と開き直って投げた。直球が低めに外れ、ボール。「やっぱり悔しい!」。再び火が付いた。矢野の二盗失敗でノーヒットノーランは継続。10回1死から山本卓にスライダーを中前に落とされ大記録は消えたが「次の打者。切り替えました」。後続を断ち、11回表の2点援護で勝利した。

直球が抜群だった。初回初球、軽く投げたつもりが145キロ。「直球で押せる」と確信した。5回には149キロを出し「あと1キロ、欲しかった」。直球を軸に変化球を交え、8回まで毎回&全員の13奪三振。結局、14奪三振で隙を与えなかった。23日にも優勝が決まる。「(完全試合は)7回ぐらいから狙ってました。ここまで来たら優勝しかない。明日、力を合わせて優勝したい」と強く願った。

▽東洋大・杉本泰彦監督(完全優勝に王手)「明日は村上には、ゆっくり休んでもらいます」

▽東洋大・佐藤都志也捕手(村上をリード)「直球がすごく良かったので、前半は変化球を見せ球にして、後半から変化球を増やしました。野手が情けない。11安打で2点。申し訳ない」

▽亜大・生田勉監督(村上に1安打完封負け)「キレのある球がビシビシ来てました。ホップ率が高い。ストレートを打てと言ったんですが、手が出なかった。内間も悪くなかったんで、野手に頑張って欲しかったが、これが力。しょうがない」

◆村上頌樹◆ むらかみ・しょうき。1998年(平10)6月25日、兵庫県生まれ。小1から投手として軟式野球を始め、南淡中では硬式のアイランドホークス所属。3年時にジャイアンツ杯出場。智弁学園では1年夏から背番号11で甲子園出場。3年春、16年センバツ優勝投手。東洋大では、昨秋までは通算3勝。174センチ、75キロ。右投げ左打ち