日本ハムは巨人3回戦(札幌ドーム)で逆転負けを喫し、6カードぶりの負け越しとなった。初回に大田泰示外野手(29)の先制適時二塁打などで3点を先行したが、2回に5点を奪われて逆転されると、立ち直った巨人先発の菅野を攻略できなかった。約3週間ぶりの連敗で交流戦の順位は3位に、リーグではソフトバンクに並ばれて2位タイとなった。

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魂のこもった一打が、連敗阻止の号砲となるはずだった。初回無死一塁。大田が菅野の浮いたスライダーを捉えた。打球は中堅フェンスに直撃。一塁走者の西川が一気に生還し、二塁へ到達した大田は右拳を突き上げて「ヨッシャー」と叫んだ。昨季まで2年連続で沢村賞を受賞した球界NO・1右腕は、元同僚であり母校・東海大相模の1学年先輩。プロ初対戦で、成長した姿を示した先制打から打線は一気に3得点。「初回に攻略して点を取れたのはよかったけど…」。チームは勢いに乗り切れなかった。

直後の2回に逆転を許すと、打線は沈黙した。大田が「菅野さんに余裕が出来て、逆にこっちが攻められた」と話したように、修正力を発揮した難敵に打線は抑え込まれた。初回こそ、直球を中心に狙いを絞って安打を重ねたが、2回以降はカットボールやスライダーなどの変化球中心の組み立てに切り替えられた。城石打撃コーチも「2回からは変化球が多くなって、うまく逃げ切られた」と舌を巻いた。

チームは5月24、25日の西武戦以来、約3週間ぶりの連敗で、今季の交流戦では初めてのカード負け越しとなった。栗山監督は「相手のことは言いたくない。我々が点を取れなかっただけ。選手は何とかしたいという気持ちは出ていた。勝たせてあげられなくて申し訳ない」と振り返った。交流戦は残り2カード。前半戦のヤマ場となる5週連続6連戦も最終週だ。気持ちを切り替え、横浜と名古屋へ乗り込む。【木下大輔】