ベテランの猛打が連敗止めた! 阪神糸井嘉男外野手(37)が適時打を含む4安打の固め打ちで、7試合ぶりに勝利の六甲おろしを響かせた。

まずは1点リードの2回だ。2死一、三塁の得点機で先発高橋光の4球目、甘く入ったフォークをはじき返した。打球は一、二塁間を破り、貴重な追加点をもたらした。4回にも引っ張って外野の頭を越す強烈な二塁打。7回には右前打で梅野の勝ち越し死球を呼び込んだ。9回にも右前打を放ち5打数4安打1打点。19日楽天戦(甲子園)に続く今季2度目の4安打で、ここ3試合は13打数9安打とその打棒が止まらない。

「連敗していたので、まずは勝ちたいと思っていた」

チームが低迷する交流戦においても、打率3割4分4厘と打ちまくり。ベテランの奮起がチームに久々の勝利をもたらした。

足もとに不安を抱える中で、出場を続けている。自分の身体を理解し、自分に合った調整を続ける。この日も試合前練習で1人だけ、ロングティーをする姿があった。一塁側ベンチ前から、右翼ポールをめがけて鋭い打球を飛ばす。感触を確かめるように、1球1球大事にバットを振っていた。糸井が自ら進言して、このメニューを取り入れている。清水ヘッドコーチも糸井の調整については「任せている」と一任。試合後、同コーチは「ほんとに練習もよくやっているし、よくやってくれている」と頼れるベテランをねぎらった。 矢野監督も「状況に応じたバッティングとか、その場面で頭も使って打っているヒットも出ている。これだけヒットもたくさん出ているというのは、嘉男の気持ちももちろん上がってくると思う」と評価した。

沈むチームにおいても、塁上では独特のポーズで若手と一緒にベンチを盛り上げる。「北條とかがベンチを盛り上げている。雰囲気は良いです」。交流戦残り2試合も、超人背番号7のバットが頼りになる。【奥田隼人】