阪神岩田稔投手(35)が、6回5安打2失点で約2カ月ぶりの勝利を挙げた。

先発投手に白星がつくのは、12日ソフトバンク戦の青柳以来。「勝つっていいですね。みんなが幸せになる」。今季2勝目を心から喜んだ。

勝負を思い切り楽しんだ。西武の中村は、大阪桐蔭時代の同期。2回1死の第1打席、いきなりバックスクリーンへ運ばれた。続く1-0の4回2死、今度は左翼へ特大の本塁打。「カウント不利になってしまって、ばか正直にいきすぎたかな」。マウンドで2度、苦い表情を浮かべた。

西武戦は09年以来10年ぶりで、中村にはこの試合まで4打数1安打だった。悔しい2被弾にも、岩田はどこかすがすがしかった。「えぐかったですね。高校時代、3打席連発していたのを思い出しました。3方向に打ち分けていて、その試合がよぎりましたね」。大阪桐蔭時代に甲子園出場はかなわず、敵味方とはいえ聖地で一緒にプレーしたのはこれが初めて。濃密な3年間を過ごした同期との対戦は特別だった。

失点は2点のみ。打たせて取る投球で、奪った18アウトのうちゴロで15アウト(併殺1)。持ち味を発揮し、連打も許さなかった。4月18日ヤクルト戦(神宮)以来の待望の勝利。「なんか、2カ月ぶりと言われるとすごく恥ずかしいんですけれども、上(1軍)で投げられてるだけで僕は幸せなので。特別うれしいですね、勝つのは」。お立ち台で照れくさそうにかみしめた。【磯綾乃】