阪神がV逸の危険水域に足を踏み入れた。先制しても、あっけなくDeNA打線に逆転され、引き離される。

完敗で首位巨人と7・5差に拡大。ついに過去1度も逆転優勝していないゲーム差に開いてしまった。再び4位転落。矢野監督は「苦しいときほど楽しめる気持ちでやれたらすごい。前を向いてやっていかなあかんし、まだまだ試合数が残っている」と話した。

「ないものねだり」をしたくなる展開だった。もどかしい攻撃の象徴は来日1年目の助っ人マルテだ。1回2死二塁はファウル3本で追い込まれて外角速球に見逃し三振。3回2死二塁は右飛。5回2死一、二塁はフォークに空振り三振。5番打者の役割を果たせず矢野監督も首をひねった。

「点が取れないなかでね。得点圏で相手が一番、どうやって打ち取ろうかという攻めのなかの打撃は、走者がいないときと同じような感じでは攻めて来ない。そこが課題になってくる」

揚げ句は8回だ。1死一塁で内角速球にどん詰まりの三塁併殺打…。マルテも「明日から見つめ直してやりたい」と反省した。一向に状態が上向かない。単打は出るが6月21日西武戦以来、31打席長打なし。アーチは実に6月4日ロッテ戦以降、1カ月も遠ざかる。6本塁打にとどまり、得点力不足は解消されない。

一方のDeNAはソトが25号弾など2安打を放ち、ロペスも2安打。まさに助っ人の本領を発揮する。しびれを切らし、ついに新助っ人補強に動いた。メジャー通算75本塁打のヤンガービス・ソラルテ内野手(32=マーリンズ傘下)の獲得に向かっており、この日も球団首脳は「できるだけ早くしたいと思っています」と危機感をにじませた。後半戦からの参戦を目指し、急ピッチで交渉を進める。

両打ちでアーチを量産できるパンチ力を秘め、獲得前から早くも待望の存在になりつつある。得意の横浜スタジアムで3連戦負け越しは15年以来、4年ぶり。「ソラルテ、ホンマ、はよ来てくれよ~~~」。虎党から、そんな悲鳴が聞こえてきそうだ。【酒井俊作】

▼阪神がDeNAに敗れ3連戦を1勝2敗と負け越した。阪神は横浜スタジアムとの相性が良く、3連戦で負け越したのは、15年5月22~24日に1勝2敗(●○●)以来4年ぶりだ。また、2連戦では同年9月18、19日に連敗したケースがある。