遥人、止めてくれ! 阪神矢野燿大監督(50)が19日、今季ワーストの7連敗阻止を若き左腕に託した。

予定されていたヤクルト戦(甲子園)が雨天中止。先発が予告されていた高橋遥人投手(23)が初のスライド登板で20日に先発する。指揮官はさらなる成長を促す意味でも引き続き大事なカード初戦を任せた。首位巨人が広島に敗れ、阪神は自力優勝の可能性が復活。これは恵みの雨かもしれない!

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雨音が響く甲子園の通路で矢野監督はハッキリと言った。「遥人でいこうかなと」。そして「そういうところで投げていくことで、また成長できるんちゃうかなという俺らの期待もある。そういう部分で、カードの頭、1回ね」と説明した。高橋遥の登板を飛ばして当初予定だった西を20日ヤクルト戦にぶつける選択もあったが、指揮官の結論は若き左腕のスライド登板だった。

若さと勢いに懸ける。2年目の高橋遥は今季8試合に登板して2勝2敗、防御率1・80。さらに本拠地甲子園では防御率1・41と安定感を増す。前回ヤクルトと対戦した5月23日(甲子園)は6回4安打無失点と好投。勝ち星はつかなかったが、ツバメ打線を無得点に抑えており相性もいい。プレッシャーのかかるマウンドとなるが、それを乗り越えればさらなる成長にもつながる。期待の表れだ。

チームは正念場を迎えている。6連敗を喫した17日中日戦(豊橋)は3試合連続登板となった藤川が竜打線につかまり、今季初黒星。球宴明けの3試合はいずれも救援投手に黒星がつく敗戦が続いている。この日の中止でブルペン陣にとってつかの間の休息となったが、負担軽減のためにも先発の踏ん張りが1つのキーポイントにもなる。

連敗ストップを託された左腕は甲子園の室内練習場などでキャッチボールやダッシュメニューで汗を流した。球宴休みもあり中12日となる登板。さらに1軍では初体験のスライド登板にも「やることは変わらないのでしっかり準備をして、試合を作って、勝てるピッチングをしたい」と表情を引き締める。スカッとうっぷんを晴らすような快投に期待だ。【桝井聡】