阪神の高橋遥人投手(23)が、7回7安打2失点、自己最多の10三振を奪って先発の役目を果たした。

雨天中止となった19日から初のスライド登板。カード初戦を託した矢野監督の期待に応えて、試合を作った。

力感あふれる直球がビシビシ決まった。「暑かったですけど、全くいつもと同じように入れました。みんなが声を掛けてくれましたし、声援もありましたし、力になりました」。5回は先頭の太田を146キロ直球で見逃し三振に仕留めると、広岡からも146キロ直球で空振りを奪い、3者連続三振。ひょうひょうとした表情で、次々に打者をなぎ倒していった。

ただ、高橋遥は初の2桁奪三振を誇るよりも、リードを保てず降板したことを反省した。「三振はおまけみたいなものなので。ランナーを背負ってから三振を取らないといけない。リードを許して降りてしまったので、もっと出来たんじゃないかなって」。1-0の2死走者なしから青木、村上に連打。バレンティンは外角の細かい出し入れで誘った末の四球で、満塁として中村に逆転の2点適時打を許した。続投した7回は無失点で踏ん張り、先発としての意地をマウンドに刻んだ。

最終的に連敗ストップを呼び込んだ粘投に、矢野監督の信頼が揺らぐことはかった。「投げる度に自分の自信が高まっている。スライドも初めての経験。どんどん自信をつけて投手陣を引っ張っていく素材」。ここまで2勝2敗ながら、防御率1・89はチームの先発で現在トップの数字。プロ2年目の左腕は、まだまだパワーアップする。【磯綾乃】