「甲子園の申し子」が甲子園の誕生日に帰ってくる。阪神藤浪晋太郎投手(25)が、8月1日中日戦(甲子園)で今季初先発する。
29日に行われた1軍投手練習に参加。登板に向けて準備を整えた。登板予定の1日は甲子園球場が誕生してちょうど95周年の節目。雌伏の時を過ごした右腕が、真夏の記念日に復活劇を演じる。
◇ ◇ ◇
背番号19は甲子園の緑と黒土がよく似合う。灼熱(しゃくねつ)の太陽に照らされながらグラウンドに現れた藤浪は黙々とメニューに打ち込んだ。キャッチボール、ポール間のダッシュメニュー、ノック…。大粒の汗をぬぐうと、今季1軍初先発が見込まれる8月1日中日戦に向けて気合を入れた。
「やるべきことは変わらないんで。この時期だからどうとかじゃなくやるべきことに集中するだけ」
プロ7年目で初めて開幕を2軍で迎えた今季は、フォーム修正など試行錯誤を繰り返した。ウエスタン・リーグ8試合に登板して1勝3敗、防御率1・88。藤原球団オーナーも駆けつけた前回登板の26日中日戦(甲子園)では、6回6安打2失点も無四球と課題の制球難を修正。メッセンジャー離脱などで先発が手薄になったこともあり、白羽の矢が立った。
記念のマウンドになる。甲子園球場は、1924年(大13)8月1日に「甲子園大運動場」と命名され、竣工(しゅんこう)式が執り行われた。藤浪が登板する日はちょうど95周年となるバースデーだ。高校時代には大阪桐蔭を春夏連覇に導いた右腕。復活劇のタイミングとしてはふさわしい日だ。
2軍調整中も「楽しめ!」とエールを送り続けた矢野監督は変わらぬ言葉で背中を押す。「俺がよく言う楽しむということはなかなか出来にくいと思うんだけど、どうせなら、そういう気持ちで。いい顔で。一番大事なんじゃないかなと思う」。もちろん、指揮官の熱いメッセージに応える覚悟だ。
「いい感じでは投げられているんで。もちろん、完全とか完璧ではないですけど。でもいい部分も出てきているんで。それをしっかりゲームのなかで出していければ。もちろんいいプレーをしていい顔で投げられたらと思います」
巨人戦はカード勝ち越しとなったが、3戦目(29日)は2本の満塁弾を浴びて16失点と屈辱的な大敗を喫した。先発が崩れれば、ブルペンにもその影響がもろに出る。強みである投手力を生かすためには先発が1イニングでも長く…。藤浪は「それに尽きると思います」と力強く言った。Aクラス浮上のキーマンが、慣れ親しんだ甲子園で躍動する。【桝井聡】



