祝福ムードから一変、出ばなをくじかれた。巨人先発のドラフト1位左腕、高橋優貴投手(22)が広島打線にプロ最短の2回1/3、3失点でKOされた。

1回、先頭の西川、続く菊池涼と2者連続本塁打を浴びた。いずれもカウント2-1とボール先行からストライクをとりにいった直球を狙い打たれた。試合開始3分ほどで宮本投手総合コーチがマウンドへ向かってきた。高橋は険しい表情で汗をぬぐった。

立て直しへ応急処置を施した。2回以降はノーワインドアップからの2段モーションをやめ、セットポジションからクイックモーションを交えた。2回を3者凡退。一時的な修正はできたが、3回1死から連続四球。鈴木の適時打で3点目を失ったところで交代を告げられた。

監督通算1000勝を成し遂げた原監督からの期待に応えたかった。1軍での前回登板、7日DeNA戦では無失点ながら2回2/3で降板し2軍降格。25日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦で3回6失点ながらチャンスを与えてくれた。「1年目の選手に、いつもわざわざ声をかけてくださる。何回もチャンスを頂いているので、いい結果で応えたい」。5月6日以来、約2カ月半ぶりの4勝目を目指したが、無念のマウンドとなった。

この日の試合前には選手、コーチ、スタッフらが原監督通算1000勝記念Tシャツを着用。前日の好ムードを継続したかったが、打線も広島ジョンソンの前に5回までは3安打無得点。厳しい展開を作ってしまった高橋はベンチから懸命に声を張った。【桑原幹久】