秘打? も報われなかった。阪神ジェフリー・マルテ内野手(28)が2回に先制の10号ソロを放った。

2-2からヤクルト石川の外角低め114キロチェンジアップをすくい上げた。インパクトの瞬間は左手1本。右膝を地面に着け、振り抜いた後は右手を打席についた。体勢を崩されても技術とパワーでスタンドへ。ダイヤモンドを回る際、右膝には土がついていた。

「チームの助けになるために、強いスイングをしてチャンスを作りたいと思っていたよ。ホームランというポジティブな結果になって良かったね」

阪神の助っ人では16年ゴメス以来3年ぶりの2ケタ本塁打だった。球団ごとで事情が異なるとはいえ、長距離打者が不足するチームを象徴するやや寂しいデータではある。おまけに今季ここまでマルテが本塁打を放てば9試合負けなしだったが、ついに不敗神話が崩れた。

試合後のマルテは淡々と神宮のグラウンドを歩いた。「結果は(勝敗)関係なく、打てたのはよかった。負けてしまったことは悪かった。全力でやっていくしかない。それだけです」。シーズンも終盤に入る。1つ1つの勝負がペナントレースを左右するだけに、助っ人の力がより必要となる。【真柴健】

▼阪神マルテが10号ソロ。阪神の助っ人では、16年のゴメス以来3年ぶりに2桁本塁打を記録した。今季のセ・リーグの主な外国人選手では、29本のソト、23本のロペス(ともにDeNA)をはじめバティスタ(広島)、バレンティン(ヤクルト)が20本以上をマーク。阪神はソラーテの4本と合わせても計14本(ナバーロは0本)と迫力不足は否めない。近年の阪神の助っ人で20本塁打以上を記録したのは、10年ブラゼル(47本)、14年ゴメス(26本)、16年ゴメス(22本)だけ。マルテ、ソラーテの今後のアーチ量産はあるか。