DeNA筒香嘉智外野手(27)が、豪快な1発で通算200号本塁打を達成した。

広島20回戦(横浜)の2回1死一塁、右翼へ飛距離121メートルの今季24号2ラン。8回には左翼へ通算201号、今季25号を放った。メモリアルアーチで打線に勢いを付け、チームの連敗を5でストップ。広島を抜いて2位に浮上した。

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記念弾も、201号も筒香「らしい」打球だった。2回1死一塁、広島モンティージャの内角低め153キロ直球を完璧に捉えた。速度164キロ、角度35度ではじき返された打球は、ベイ党で青く染まる右中間席へ。流れを引き寄せる2ランが、通算200号となった。

さらに8回2死の最終打席、逆方向の左翼席へ突き刺すソロで試合を決めた。ヒーローは「200号記念Tシャツ」を着てお立ち台に上がると、ファンと投手陣へ感謝を口にした。「いつも以上の声援ありがとうございました。(201号は)投手の方がいいリズムを作ってくれたので流れに乗って打てました」。

背番号55だったプロ1年目の10月7日、阪神久保田から1号を放ってから9年。背番号は25となり、主砲に成長を遂げた。1号、100号、150号、200号。メモリアル弾はすべて横浜スタジアムでの1発。「高校の時からプレーすることが出来て幸せですし、何か縁があると思います」と表情を緩めた。

人生初本塁打は「絶対にランニングホームランだった」と笑う。記念すべき初の柵越えは「小学校の時の全国大会だったと思う。確か万博記念公園の球場。懐かしいですね」。和歌山生まれの少年は横浜高へ。名門の4番を張り、DeNA、侍の4番へと上り詰め、幾多のアーチを描いてきた。

“相棒”はいつも違った。バットは常に20~30本を用意する。「いろんなメーカーさんのを合わせて、それくらいですね。その時にしっくりくるもの。持った感じ。振った感じでバットを替える」。1試合どころか打席ごとでも替え、ハマッ子の心をつかんできた。

筒香 ホームランは、やっぱり1本で流れを変えられる。球場全体の雰囲気も変わる。チームにも勢いが出るし、ホームランはそれだけの魅力がある。いろいろホームランがある中で、自分の中で良くないホームランもある。たまたま当たったホームランもある。残したくないものもある。

忘れられない1発もある。16年10月8日。チーム初のクライマックスシリーズ(CS)となった巨人との初戦。マイコラスから逆転本塁打を放った。「感触は良くなかったけど、あの1発は覚えていますね。やっぱりCSは初めてだったし」。チームにとっての大一番を心に刻む。

主将の2発で2位に再浮上した。これからも自身と人々の記憶に残る放物線を描いていく。【鈴木正章】