丸で始まり、丸で終わる“三重丸”の活躍だった。巨人丸佳浩外野手(30)が、決勝打を含む4安打3打点の大暴れ。走攻守3拍子にわたる活躍でチームを3連勝に導き、優勝マジックを17とした。「厳しい試合を勝てたのはよかった」。広島時代と合わせ、自身4連覇にまい進する男が1勝の重みをかみしめた。

巨人ファンだった幼い頃から、憧れを抱いた「伝統の一戦」で、移籍後初の4安打を刻んだ。1回、チーム初安打の右前打が号砲だった。二盗を決め、暴投の間に三塁に進塁し、岡本の適時打で生還。6回に2安打目を放つと、直前の坂本勇の敬遠で迎えた同点の7回2死一、二塁から、決勝の右前適時打を放った。

原監督の目に「(前の打者が)敬遠というのが何回目なのか。少し火をつけてくれた感じはする」と映った打席で勢いを加速させた。1点リードの9回には、2戦連発の24号2ランをバックスクリーンへ。9回2死の守備ではダイビングキャッチで試合を締めた。原監督は「今日は二重丸。(走攻守)三重丸だ」と称賛した。

4月、移籍後初の甲子園での「伝統の一戦」に歴史と重みを感じた。「お客さん、球場全体の熱量。特別なもの」と受け止めた。プロ入り前の巨人阪神戦の思い出には「高校から寮生活なので、中学で止まってて…。(阪神の)ムーアは覚えています」と挙げたが、この日観戦に訪れた子供たちに、丸が強烈なインパクトを残した。【久保賢吾】