富士大が5-4でノースアジア大にサヨナラ勝ちし、5勝1敗で単独首位に立った。3点リードの9回表に追いつかれたが同裏、5番山田利輝外野手(2年=仙台育英)の左越えサヨナラ本塁打で勝負を決めた。

9回裏1死。山田のバットが重苦しい空気を切り裂いた。2ストライクから内角高めに浮いた変化球を強振。ダイヤモンドを一周し、本塁で歓喜の仲間たちに迎えられた。公式戦初アーチに「サヨナラも初めて。(打ったのは)フォークかスライダー。完璧でした」。チームは本塁打4本の1発攻勢で全得点を挙げた。初回に4番吉田開(4年=専大北上)の2試合連続弾で先制。5回に7番丹野涼介(北海)、8回に宮里青(浦添商)の4年生コンビもソロ弾で続いた。プロ志望届の提出を予定する吉田は「2試合連続は初めて。強みは長打力。リーグ戦でアピールして勝利につなげたい」と本塁打王獲得を目標に掲げた。

投げては1年時に左肩関節唇損傷で内視鏡手術を受け、今秋からベンチ入りした左腕・登藤光(3年=九里学園)がリーグ初登板初先発。独特の2段モーションから自己最速143キロをマークし「まっすぐ主体にゾーン勝負できた」と、4回2/3を3安打無失点と好投した。今春はリーグ11連覇を逃す悔しさを味わっており、豊田圭史監督(35)は「プレーオフにはしたくない」と、残り4戦全勝に期待した。【佐々木雄高】