今季最後の道内地方開催で、たまった鬱憤(うっぷん)を晴らした。日本ハム近藤健介外野手(26)が16日、ソフトバンク23回戦(旭川)で決勝の先制適時打を放つなど3安打3打点と爆発。8回表の守備中に降雨コールドゲームとなり、地方開催今季初白星を挙げた。8回にコールドゲームとなるのは、日没で敗れた西武戦(釧路)と同じ。今度は勝利を手にし、クライマックスシリーズ(CS)進出へ望みをつないだ。

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近藤の快打が、随所で効果的だった。3回2死三塁の第2打席に右前へ先制適時打を放つと、2点リードの6回2死一、二塁では、右中間フェンス直撃の2点適時三塁打。「追加点のチャンスだったので、ランナーをかえすことができて良かったです」。初回の左前打と合わせ、今季9度目の猛打賞で勝利をたぐり寄せた。

8回表のイニング途中にコールドゲームとなるのは、8月28日西武戦(釧路)の日没コールドと同じだった。あの日も11安打で8点を奪ったが、リードされる展開だったことで敗戦。「先制打」、「ダメ押し打」で主導権を握れたこの日の近藤の活躍は価値があった。道内地方開催今季最終戦で、ようやく白星をつかむことができた。

活躍の源は万全な体のコンディションにある。開幕前の3月に結婚。愛妻の手料理に支えられている。「ご飯を自分で考えなくていいので、その辺はやっぱりいいのかなと思う」。元々は魚料理が好きだったというが、「(妻の)ショウガ焼きとか好きですかね」と味覚も変化し、肉料理をリクエストするようになった。さらに6月には、5万円ほどする「ハイパーボルト」というポータブルマッサージ器を購入。トレーナーに頼りっきりだった以前とは違い、セルフケアにも努めている。

優勝争いをするソフトバンクに2連勝。栗山監督は「コンちゃん(近藤)に関しては普通なので」とさらなる活躍を求めた。CS圏の3位ロッテとは3・5ゲーム差。残りは8試合。近藤は「ベンチも雰囲気がいいですし、こういう試合をどんどんしていって、CSに向けてやっていきたい」。チーム一丸で最後まで戦う。【山崎純一】

▼8月28日西武戦(釧路)の日没コールド負けVTR 照明設備のない釧路で、午後1時1分開始のデーゲーム。雨が断続的に降り続き、回を追うごとに暗さは増していった。序盤から乱打戦。1点を追っていた8回表、西武森の放った中堅への本塁打に守っていた西川が反応できず、審判団は日没コールドゲームを宣告した。日没コールドは99年6月20日オリックス-近鉄戦(札幌円山)以来の珍事。日本ハムは11安打8得点と終盤の逆転も期待されていたが、2イニングを残し、悔しい敗戦となった。