2年前の借りを返すことはできなかった。楽天美馬学投手が4回3被弾5失点でKOされた。

失点はいずれも味方の得点直後。先制、勝ち越し、同点と3度の援護を吐き出す形となり「もうちょっとできることがあった」と悔やんだ。17年も福岡でのCSファイナルステージ第5戦に先発して敗れ、シーズンが終わっていた。

今季ソフトバンク戦7試合で防御率1・97と抜群の相性を誇ってきたが「変に意識しすぎて曲がり球が少なかったり、考えすぎて自分でリズムを崩してしまった」。3回2死から中村晃をストレートの四球で歩かせた。「あまりない外れ方で引きずってしまった」。柳田にもボール3つ先行から直球を続けて同点打を許し、デスパイネにはシュートを被弾した。シーズン途中から美馬の登板試合はスタメンマスクに固定されてきた堀内も「いつも通りと思っていたけど、少し相手を意識してしまっていたのかもしれない」と言った。

逆王手は許したが、「ファイナルまであと1勝」も変わらない。平石監督は「勝つだけです。引きずっても仕方ない。腹をくくって、やりますよ」と力強いトーンで締めた。下克上の第1関門突破を、岸に託す。【亀山泰宏】