国士舘大・高部瑛斗外野手(4年=東海大甲府)の打席は目が離せない。脱力を意識したルーティンから一転、投手への視線の鋭さと集中力には、小笠原道大(現中日2軍監督)に通ずるものさえあり、観客側も息をのむ空気になる。

「高いレベルでやるためには、いま以上の集中力が必要です。調子が悪くても集中力でカバーできるくらいにならないと」と言う。アマチュア離れした精神力とバットコントロールで、東都大学リーグ2部の歴代最多安打記録(110本)を樹立した。1部でプレーできなかった悔いは残る。「自分はエリートじゃない。下からどんどん伸びていける。それも強みにしていきたい」と不屈の精神でプロを志望する。

目標とする選手は、特にいない。イチローのルーティンは意識しているが「イチローさんみたい、と言われるのではなく『高部みたい』と言われるものを確立させたいです」と自分の道を堂々と歩んでいる。