左のエースが、世界仕様の武器を手にした。侍ジャパン今永昇太投手(26)が26日、若手主体のオリックスとの練習試合(サンマリン宮崎)に先発。

大きく変化する大会公式球を生かして、カットボールを効果的に使い3回2安打無失点。「プレミア12」に向けて自信を深めた。2試合連続フル出場の会沢翼捕手(31)は、攻守に存在感を見せつけた。

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今永が、手応えをつかむ1球を投じた。1回1死。西浦に1-2と追い込んでからの4球目。鋭く曲がる141キロのカットボールで、バットを誘い出した。「直球だと思っていたらカットでした、というのが一番いい」。詰まらせた打球は二ゴロで「いい形だった」と納得。散発2安打で、予定の3回を無失点で投げ終えた。

強力な武器を携え、世界に挑む。「プレミア12」の大会公式球は、NPB公式球より大きく曲がると実感。シーズン中、ほとんど投げないカットボールを生かせると多投し、感触を確かめた。「試合の中でもしっかり投げられた。しっかり腕を振って投げきったほうがいい」とうなずいた。稲葉監督は「左の1番手。素晴らしいボールを投げていた」と絶賛した。

この日は2奪三振も、侍ジャパンでは三振ショーを演じてきた。17年11月台湾戦では6回12奪三振で、衝撃デビュー。今年3月の強化試合メキシコ戦では2回4奪三振と、代表では計10イニングで20奪三振と存在感を放ってきた。主体はチェンジアップもカットボールが加わり、快投再現へ余念はない。「初回から全力が僕のスタイル。攻撃に流れを持ってくるように」。世界を斬るカットボールを、磨き上げていく。【田中彩友美】