今季で3年契約が満了するソフトバンクのリック・バンデンハーク投手(34)が27日、来季のメジャー復帰を視野に入れていると明かした。ヤフオクドームを訪れ、去就は未定とした上で「ワールドシリーズチャンピオンのリングをもらえたらうれしい」と発言した。来日5年目の今季はけがの影響でレギュラーシーズンは3試合登板に終わった。球団は来季の先発ローテーション戦力と考えている。

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バンデンハークがヤフオクドームでトレーニング後、来季のプレー先を問われて注目発言をした。

「来週には自由契約になる。韓国で2年やって2度優勝、日本で5年やって4度の日本一。ワールドシリーズチャンピオンのリングをもらえたらうれしい。3カ国でチャンピオンになれるというのは僕のユニークなところだからね」

韓国と日本でのここ7年で6度美酒を味わった優勝請負人は、メジャーでの世界一を合わせた「3カ国制覇」を夢見ていた。

ソフトバンクとは基本年俸4億円の3年契約が満了する。昨年まで2年連続2桁勝利を挙げたが、5年目の今季は腰痛と右肘痛の影響で公式戦ははわずか3試合で2勝だった。ポストシーズンでは3試合に先発して3年連続日本一に貢献し、球団は来季も戦力と考えて交渉を進めている。

バンデンハークはソフトバンクも含めて幅広く来季のプレー先を探すつもりで、「今後は分からない。まだ何も話が来ていないんだ。全ては条件次第だけどね」と現時点では白紙だとした。また「シューヘイはどこへ行くんだい」と、ソフトバンクからFA宣言して争奪戦となっている福田の去就について報道陣に逆取材する場面もあった。

メジャーでは通算8勝を挙げており、仮に復帰となれば12年シーズン以来となる。右腕は今オフのテーマとして「カットボールとツーシームを覚えて、チェンジアップも良くしようと思っている」と語り、直球とカーブ主体から小さく動かすメジャースタイルを意識している。アナ夫人が第1子を出産予定で、それまでは日本でトレーニングを続ける。来季編成にも影響してくる右腕の去就が注目される。(金額は推定)

◆リック・バンデンハーク 1985年5月22日生まれ、オランダ・アイントホーフェン出身。セントジョージ短大を経て02年マーリンズと契約。07年メジャーデビューし、その後オリオールズ、パイレーツでプレー。メジャー通算50試合で8勝11敗、防御率6・08。13年からは韓国・サムスンでプレーし、2年間で49試合、20勝13敗、防御率3・55。日本球界5年目の今季は公式戦3試合にとどまったが、日本シリーズは第3戦に先発。198センチ、105キロ。右投げ右打ち。