巨人が、国内フリーエージェント(FA)権の行使を表明した楽天美馬学投手(33)の獲得に向けて本格調査を行うことが27日、分かった。

リーグ連覇、8年ぶりの日本一がかかる来季に向けて、1年間ローテーションを守れる先発投手は補強ポイントに合致する。美馬は宣言残留を含めて他球団の評価を聞く意向。生活環境を重視するため、関東圏内の球団が有力候補とみられ、ロッテも獲得に乗り出す見通しだ。

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巨人が、課題に挙がる先発投手の補強に向けて美馬の本格調査に着手する。シーズン中から今季FA権を取得する投手を中心に、各選手の動向を注視してきた。FA権を持つ先発投手では広島野村がチーム残留を表明するなど、候補選手が絞られる中で、今季8勝を挙げた右腕が結論を出した。球団側はより深く情報を精査して、検討を続けていく方針だ。

今季は5年ぶりにセ・リーグを制したが、日本シリーズではソフトバンクに4連敗を喫した。先発陣は最多勝、最高勝率、最多奪三振で3冠に輝いた山口が15勝を挙げたが、腰痛で離脱した菅野は11勝で、2ケタ勝利は2人にとどまった。メルセデスが8勝、シーズン途中に先発転向した桜井が8勝、ルーキー高橋が5勝で続くが、1年間ローテーションを守ることはできなかった。美馬は今季パ・リーグで6人だけだった規定投球回に達し、2年ぶりのクライマックス・シリーズ(CS)進出に貢献。1年間先発の役割を全うし、巨人が求める補強ポイントにも合致する。

生活環境を重視する美馬は関東圏内でのプレーを希望しているとみられ、東京を本拠地とする巨人は、家族との生活面でも後押しすることができる。日本シリーズ終了翌日の24日には、原監督と山口オーナーが外国人を含めて、来季に向けた戦力補強について協議を行った。FA交渉が解禁となる11月3日に向けて、慎重に情勢を見極めていく。