中日6位の札幌創成・竹内龍臣投手(17)が5日、札幌市内の同校で指名あいさつを受け、同市内のホテルで入団交渉を行い契約金2500万円、年俸550万円(金額は推定)で仮契約した。

64年創立の同校からは初のプロ野球選手が誕生。手本にしたい選手には自身同様、アルペンスキー選手の経験がある昨年中日1位の根尾昂(19)を挙げた。貪欲に練習に取り組む姿勢を学び、本格派右腕が1軍を目指す。

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ひたむきな努力でチャンスをつかんだ。仮契約を済ませた竹内は少し緊張した面持ちで「頑張れば頑張った分、人生が変わるんだと思った。長く活躍できる選手になりたい」と口にした。中日で手本にしたい選手には根尾の名前を挙げ「午前3時から練習していると聞いた。真面目な姿勢を学びたい」と意気込んだ。

驚異的成長度がプロの心をつかんだ。八木智哉スカウト(35)は「元々、球の回転や制球は良かった。さらに、昨年からの半年で球速が10キロ以上も増えた。感性があり、上でやれる選手。150キロもすぐにいける」と評価。昨秋までの133キロを、ひと冬で147キロまで上げたセンスと伸びしろが道を開いた。

挫折が力になった。中学1年で強豪の新琴似リトルシニアに入団。当時チームメートだったソフトバンク4位の東海大札幌・小林珠維(18)は既に180センチ近い巨漢だったが、竹内は150センチを超えた程度。肩も弱く、一、二塁間の送球すらままならない補欠の野手だった。試合に出たのは1度だけ。レベルの差を感じ1年冬で退団してから5年後、当時は手の届かない存在だった小林と同じプロのスタートラインに立った。

現在は177センチ、80キロ。昨冬から、午後10時に夜食を食べるようにし、白菜と豚肉のしゃぶしゃぶでご飯をかき込み、体重を増やし、球速を上げ、夢をつかんだ。ソフトバンクの小林とはウエスタン・リーグで対戦する可能性もある。昨秋の札幌地区3回戦では4-5で敗れ、小林にも痛打された。「高校では打たれてばかりだったので打ち取れるようになりたい」。日々鍛錬を続け、一歩ずつ高みを目指す。【永野高輔】

◆竹内龍臣(たけうち・りゅうしん)2001年(平13)12月11日、札幌市生まれ。札幌新川中央小2年時に新川ウィーディスで野球を始める。札幌新川中ではJBC札幌に所属。札幌創成では1年秋からベンチ入りし、今夏はエースとして南北海道大会8強に貢献。目標の選手は元巨人桑田真澄。家族は両親と兄、姉2人。177センチ、80キロ。右投げ右打ち。