巨人が来季の新外国人として、最速103マイル(約165・8キロ)を誇る米大リーグ、ホワイトソックスのチアゴ・ビエイラ投手(26)の獲得調査を進めていることが29日、分かった。

救援として大リーグ3年間で通算23試合に登板し、2勝1敗。メジャー経験は浅いが、将来性の高い伸び盛りの若手右腕で、エンゼルス大谷が16年にマークした日本国内最速の165キロを塗り替える可能性を秘めている。

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巨人が課題のブルペン強化へ向け、最速166キロ右腕を獲得候補にリストアップした。

ブラジル出身のビエイラは10年に国外FAとしてマリナーズとマイナー契約を交わし、17年にメジャー初昇格を果たした。同年に若手有望選手が出場するオールスター・フューチャーズゲームに出場し、オフにはホワイトソックスにトレードで移籍。13年にはブラジル代表のクローザーとしてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)本大会進出に貢献している。

メジャー通算3年で23試合にリリーフ登板。日本球界に加入する助っ人外国人は30歳を超えた選手が多い中で、ビエイラは26歳と若い。今季は大リーグ6試合で挙げた1勝に加え、3Aで39試合に救援登板し、6勝4敗、防御率5・70の成績を残している。チェンジアップ、スライダーも操る伸び盛りの速球派投手で、さらなる成長も期待できそうだ。

今季は5年ぶりにリーグ優勝を果たしたが、連覇を目指す来季に向けて特に投手部門で外国人補強の重要性は非常に高まっている。

FA戦線で美馬の獲得を逃し、15勝を挙げた山口はポスティングシステムを利用して大リーグ移籍を目指す。今季救援陣の防御率はリーグ4位の3・68。後半戦から加入したデラロサが守護神として8セーブを挙げたが、実績十分のマシソン、クローザー候補として加入したクックの退団が決定。中川、大竹、田口、高木らが存在感を見せた中で「勝利の方程式」の確立は最重要テーマとなる。

野手では新外国人として、ヘラルド・パーラ外野手(32=ナショナルズFA)の獲得が決定した。投手は今季8勝を挙げたメルセデス、デラロサの残留が決まり、新外国人は先発、リリーフと2選手の補強を目指す。ビエイラの加入が決まれば、16年CSで日本ハム時代の大谷がマークした国内最速165キロを超える可能性もありそうだ。

◆チアゴ・ビエイラ 1993年7月1日、ブラジル・サンパウロ生まれ。2010年、17歳のときに国外FAとして契約金6万5000ドル(約715万円)でマリナーズと契約しプロ入り。17年8月14日にオリオールズ戦でデビューし、ブラジル出身として5人目のメジャーリーガーとなった。同年11月にホワイトソックスに移籍し、救援としてメジャー3年で通算23試合に登板、2勝1敗1セーブ、防御率7・36。18年春には同球団傘下の有望株ランキングで22位、救援投手では7位と評価された。13年のWBCからブラジル代表入りし、今年のパンアメリカン大会予選にも出場。フォーシームの今季平均球速は158キロで、100マイル台(約160・9キロ以上)も投げる。スプリッターは148キロの球速が出るがコントロールが課題。188センチ、95キロ。右投げ右打ち。