ソフトバンクの「大物助っ人」が世界一を釣り上げる! ソフトバンクは20日、元ダイエー、阪神、マリナーズで活躍した城島健司氏(43)の球団会長付特別アドバイザー就任を発表した。来年1月から1年契約。城島特別アドバイザーは福岡市内で会見を行い、さっそく「城島節」をさく裂。王イズムの継承、常勝軍団のサポート役への熱い思いを語った。

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黒いジャケットとジーンズを身にまとい、新ポスト就任の会見に臨んだ。「球団会長付特別アドバイザー」。15年ぶりにホークスの一員となった城島特別アドバイザーは、以前と変わらない明るさを振りまいた。最初のあいさつを振られて「頑張ります」のひと言で終了。報道陣を笑わせると「こんなに多くのカメラに囲まれるのは久しぶりです。いつもは1台のカメラの前で魚持ってますから」とテレビの釣り番組を引き合いに出して笑いを誘った。

「王会長からポストの話をいただいた。『そろそろ』と言っていただいていた。野球の原点、体にあるものは、すべて王さんに教わった。福岡は野球の原点。何をするかはまだ分からないが、何か力になりたかった」

王イズムを継承する。球団会長付として共に行動しその帝王学を肌で感じるつもりだ。「この球団は王会長の考え方が根本にある。それを20年、30年続けられるようにしていきたい。これからは王会長といっぱい話がしたい」。球団としては大型野手の育成面でもアドバイスを求める。

「(来春の)キャンプには行くと思います。最初の方になると思いますが」。そのキャンプ詳細を決める1月28日のコーチ会議出席が“初仕事”になる。「まだ選手の顔、背番号も分からない。現場の雰囲気、空気を感じたい」。現役時代にバッテリーを組んだ工藤監督には「自分の捕手としてのイロハを教えてくれた方。できることをしていけたら」とサポートへの思いも口にした。

球団のスローガン「世界一」に触れ「がんばって、(世界一を)釣り上げます」と笑みを浮かべた。趣味の釣り番組も続けながらの「スーパーサポート役」で、しっかりチームを引き揚げてみせる。【浦田由紀夫】

▽ソフトバンク三笠GMの話 まさに王監督時代から強くなっていったホークスを肌で感じていたところと、さらにメジャーで経験をして活躍していたところで我々の発展に向けてアドバイスしてもらいたいと思った。主には来年のキャンプからで、野手強化育成の面でもアドバイスをもらっていきたい。

◆城島健司(じょうじま・けんじ)1976年(昭51)6月8日生まれ、長崎県出身。別府大付(現明豊)から94年ドラフト1位でダイエー入団。強打の捕手として99、00、03年の優勝に貢献。05年オフにFAでマリナーズ移籍。09年オフに阪神に移籍し日本復帰、12年限りで引退した。03年パ・リーグMVP。ベストナイン6度、ゴールデングラブ賞8度受賞。日本14年間で1323試合で打率2割9分6厘、244本塁打、808打点。メジャーでは4年間で462試合に出場。現役時代は182センチ、89キロ。右投げ右打ち。