野球が大好きだ。来季BCリーグ神奈川に入団予定の中大法学部3年、杉浦健二郎投手(21=麻溝台)が22日、草野球最後のマウンドに上がった。

相模原市の横山球場で行われた草野球チーム「相模台レイダース」の紅白戦にリリーフで登板し、1回1安打無失点。「投球練習してなかったので」と全力投球を封印するも、最速142キロを計測した。高校・大学と野球部に未所属。11月にBCリーグのトライアウトで150キロを投げた右腕がチームを卒業し、新たな1歩を踏み出すことになる。

両投げ両打ち。外野守備時は右手にグラブをはめる。「体全部使えたら楽しいじゃないですか。もったいないというか」とグラウンドを駆けめぐる。試合中は常に笑顔を絶やさない。味方のエラーに優しく声をかけ、好プレーには一緒になって喜ぶ。心から野球を楽しむ。

高校野球の厳しい風土に合わず、1度は野球を辞めた。それでも情熱は失わなかった。昨年「自分の中では本当はもっとできたんじゃないかっていうのがあって。やらないで後悔するのが嫌だったので」とトライアウト受験を決意。1年間練習を重ね、BC・神奈川入りをつかんだ。来季は右投げ両打ちの投手として勝負する。「まずは1年通して投げきること。(球速は)マックス155キロいけば、楽に150キロが出せると思う。それが目標につながる」と前を向く。独立リーグで結果を残すことでNPB球団入りの道も見えてくる。草野球出身投手が球界の新たな歴史を切り開く。【湯本勝大】