侍ジャパン稲葉篤紀監督が「しぶこの壁ドンパッティング」に習う。10日、都内での「テレビ朝日ビッグスポーツ賞」授賞式に出席。初対面のゴルフ全英女子オープン女王の渋野と壇上に上がり「全英も見ていた。最後のバーディーパットはしびれた」。外せばプレーオフに突入していた約5メートルを強気に沈めたウイニングパットを思い起こした。

野球でも、この「壁ドン」の精神が必要な場面がある。「9回に強気にどれだけいけるか」。金メダルをかけた東京五輪の決勝戦、リードして迎えた最終回。究極の重圧を感じるだろう。「緊張感ある中で、気持ちがどうしてもマイナス方向に行ってしまうかもしれないが、最終的にはどれだけ開き直って気持ちで投げられるかは投手なら大事です」と21歳の若き女王の姿勢から学んだ。

ソフトボールもプレーした渋野は野球好きでもあり、10年ぶり世界一に輝いたプレミア12もテレビ観戦していたという。「優勝の瞬間は自分のようにうれしかった。ぜひ会場に見に行きたい」と将来的な侍ジャパン戦の観戦も希望された。稲葉監督は「パワーをいただける。競技は違えど、五輪という場所で一緒に戦えたらと思う」とジャパンの一員として共闘する。【広重竜太郎】