学童野球(小学生の軟式野球)の未来を開く集まりに潜入した。「第3回 神奈川学童野球指導者セミナー -少年期のスポーツ障害を予防する-」が19日、横浜市内で開催され、神奈川県の学童野球指導者、トレーナーなど約550人が参加した。

医師、理学療法士、プロ野球選手、コーチなどを講師に迎え、幅広い講演が行われた。野球離れと闘い、有能な人材を育てる。日本の野球の希望がここにある。【取材・構成=古川真弥】

   ◇   ◇   ◇

学童野球は指導者を資格制にする方向で進んでいる。講師として登壇した全日本野球協会(BFJ)の山中正竹会長(72)が「プロアマが一緒になって、指導者の資格認定をしっかり考えようとなっている。U12(=12歳以下)は(資格認定のための)テキストができました」と明かした。

プロの日本野球機構(NPB)と、アマのBFJの間で発足した日本野球協議会で進められてきた。同協議会の普及・振興委員会でテキストを作成。コーチング、スポーツマンシップ、投球メカニズムなどの分野から成り立つ。

指導者資格の取得をどう義務づけるかは、今後の議論となる。山中会長は「全員に義務づけるか、チームで誰か1人でも取得すればいいとするか」と2案を挙げた。数年後には中学世代のU15の指導者も資格制とし、いずれは高校世代のU18まで広げたい考えを持つ。高校野球の指導者も資格制となれば、大変革。ハードルは高いのでは、という問いに「難しいでしょう。でも、検討はしないといけない」と力強く答えた。「子どもたちの野球離れがある。危機感を持たないといけない」と強調した。