将来の4番候補が衝撃発進! 中日の春季キャンプが1日、沖縄で始まり、読谷村の2軍スタートとなったドラフト1位石川昂弥内野手(18=東邦)がフリー打撃で15本の柵越え打を放った。「まだ絶好調じゃない」と言いながらも、いきなり実力の片りんを見せた。

また7日の沖縄電力との2軍練習試合(読谷)で実戦デビューすることが濃厚となった。

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まるでルーキーの門出を待っていたかのようだった。前日までの寒さがウソのような快晴の中、石川昂のバットが火を噴いた。打撃マシンと育成右腕の大蔵を相手に57スイング。安打性の打球は32本。そのうち、ほぼ半数の15本をスタンドにたたき込んだ。「監督、コーチが後ろから見ているので、緊張しました。変なところに力が入った。15発? 風があって入っただけ。でも内容のいいバッティングになりました」。仁村2軍監督ら首脳陣が見守る中で、ルーキーらしからぬ豪快な打撃を披露。「絶好調ではないです」と付け加えるあたりは、ただ者ではなかった。

キャンプ初日の鮮烈アピールとなった。打撃をチェックした立石2軍野手総合コーチはうなった。「バットの先をうまく使えている。(長距離打者の)天性のものだ」。3度の3冠王を誇る落合博満氏の現役時代を知る名コーチがその潜在能力を認めた。仁村2軍監督も「コーチ全員がほめていた。(バットの)軌道がいい。いきなり(現役の)打撃投手と対戦したが、対応が早い」と目を細めた。

2軍首脳陣の心を早くも射とめ、実戦デビューが見えた。2軍の初戦は7日、沖縄電力との練習試合(読谷)。同2軍監督は「与田監督と相談して決めるが、出すなら最初から1、2打席使いたい。ケガする心配のない子だしね」と起用を示唆。結果を残せば、早期の1軍昇格の道も開ける。

この日は、2000安打を達成した荒木1軍内野守備走塁コーチから引き継いだ背番号「2」のユニホーム姿を初披露。宿舎自室の鏡で確認してから、球場入りした。「早く自分の背番号にできるようにやりたい」。将来の4番候補が目標の開幕1軍へ向けて、好スタートを切った。【伊東大介】

▽中日大蔵(石川昂の打撃投手を務め)「飛ばす力はすごい。威圧感は感じなかったけど、高卒の感じじゃなかった」