阪神藤浪晋太郎投手(25)が沖縄・宜野座キャンプ4日目、シート打撃で20年初の実戦形式登板に臨んだ。打者5人を相手に2安打1四球2失点。そんな数字以上に、安定し始めた制球力に可能性を感じさせた。

「外角、内角、緩急をあまり気にせず、ある程度ゾーンに投げられたらと思っていた」。高山には151キロで左中間二塁打、坂本にはスライダーで中堅右への三塁打を献上。近本にはこの日最速154キロを出した後に四球を与えた。それでも「及第点」と自己採点できる材料があった。

昨季は制球難を克服できずプロ初の未勝利。米国発のトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」の練習法を取り入れ、昨秋キャンプでは山本昌臨時コーチから手首を立ててリリース時の横ブレをなくす方法も習得した。教えを胸にフォーム固めを続けた結果、この日は「つかまえた(制球できた)ボールが多かった」と言う。

今回は打者5人のうち4人が左打ち。課題とされる右打者へのアプローチを試す機会は少なかったとはいえ、不調時に目立ったすっぽ抜け、引っかけた球はなかった。【佐井陽介】

▽阪神福原投手コーチ(藤浪のシート打撃登板に)「悪くないんじゃないですか。課題を持ってやっている。結果も大事だけど、本人がやりたかったことをできたかどうかですから」

▽阪神梅野(藤浪のシート打撃登板を受け)「中(ストライクゾーン)で勝負しようというテーマでやっていた。ボールは良かった。打たれはしたけど、ここから段階を踏んでいく。ベストなのは構えたところにボールが来ること」

▽阪神坂本(藤浪と対戦)「初めの(外角)2球は結構、遠く見えた。あれだけの角度で球速も出ていたと思う。僕がキャッチャーの時にも右バッターに対して、そういう球が投げられると晋太郎もすごい楽になると思うし、武器になる球だと思う」