ヤクルトのドラフト1位奥川恭伸投手(18=星稜)が24日、殿堂入り名投手に褒めちぎられた。2軍の西都キャンプで中1日で2度目のブルペン入り。片膝立ちした捕手の、前回より低い的に向かって30球を投げ込んだ。「脱力した状態でも伸びのあるボールを投げられた」と本人も納得の投球だった。

一流投手の美しさを備えると、熱視線を送ったのが元大洋の平松政次氏(72)だ。2軍の練習試合相手であるJX-ENEOS臨時コーチとして来訪。目を奪われた。「流れるような美しいフォーム。沢村賞の時の(楽天)涌井みたい。フォームはマー君(ヤンキース田中)よりいいかも」と絶賛。宝刀カミソリシュートを伝授する好機? だったが「シュートなんていらないよ。真っすぐとカーブで牛耳れるのが本格派。それに近い」とうなった。

奥川は右足に体重を乗せるフォームに取り組んでいる。右肘に炎症が見つかり「負担がかかっていたから出た。よくないところは変えるのも大切」と腕重視の投げ方を見直した。2段モーションも下半身に力をためるのが目的。「このまま2段で投げようとかは、今は全然決めてない。原形は変えずに、自分のフォームをしっかり固めたい」。次回のブルペン入りは29日を予定。投げながら進化を探る。【鎌田良美】