広島の開幕投手、大瀬良大地投手(28)が不安になるほどの順調調整を見せた。パ連覇の強力西武打線を5回3安打無四球無失点と抑えた。

前回登板までにすでに手応えを得ていた投球の軸となる真っすぐとカットボールに加え、この日はフォークの精度を確認した。1回は森への初球で一ゴロに打ち取り、中盤は低めへの見せ球にしながら勝負球にも使った。3回は金子を中飛に打ち取り、5回はスパンジェンバーグから空振りを奪い、最後は真っすぐで見逃し三振。「まだまだ空振りを取れる球になってくれると思っている」と上々の感触だ。

オープン戦3試合で防御率1・50と順調そのものだ。だが本人は「例年すこぶる悪いので、逆に不安だったりするんですけど」と苦笑い。18年は先発3試合で1勝1敗、防御率6・23。昨年も5試合先発で3勝0敗も、防御率4・13と過去2年は打たれて開幕を迎えながら好成績を残した経緯がある。

得意球の力強さに加え、カーブやフォークの精度も上がった。前回登板から低めに徹底できている制球面も含め、総合的な成長が一抹の不安を消してくれる。「早い段階で思うように操れている球が多いということ。もっともっと精度が上がっていくんじゃないかという楽しみもある」。佐々岡監督も「しっかりと自分で課題を与えながら順調に調整していると思います」と信頼を口にする。2年連続の開幕マウンドへ、エースが万全の調整を進めている。【前原淳】