#開幕を待つファンへ 熱いシーズンはまだ見られないけど、ドラマチックな場面を今年も見たい。そこで、これまで球史に残るワンシーンを生み出してきた「代打の切り札」を深掘りした。12球団の現時点での代打事情から、雌雄を決する一打を放つ極意にまで迫った。

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◆西武 山賊打線において、代打が数少ない穴といえる。昨季代打1番手は右打者のメヒアだった。代打で51試合出場し、3本塁打を放った。そのうち1本はサヨナラ弾と、破壊力と迫力こそ十分。打率2割1分4厘にとどまったものの、今季もありそう。左は今季レギュラー獲得を目指している川越、鈴木が、代打出場からチャンスをつかみたいところだ。

◆ソフトバンク 現状では「切り札」は固定されておらず、ポジション争いの激しい一塁、外野から代打に回る選手が多くなりそう。右打者なら内川、左なら上林、中村晃、明石、長谷川ら実力者がベンチスタートとなる可能性がある。また若手のリチャードや栗原も打力でアピールしており、代打での出場も増えそうだ。

◆楽天 三木監督は代打に柔軟な考えを持つ。「左右で1枚ずつは必要」としながら「データ、状態、その時の状況で一番いい形をとる。左対左でいい時もある」とセオリーを超えた起用法も頭に入れる。「基本的には競争」と“切り札”を絞らずシーズンを迎える。

◆ロッテ 右では実績豊かな清田の信頼度が高い。長打力と明るい性格は、流れを一気に変える力を持つ。岡も意外性がある。左ではルーキー福田光が積極的にフルスイングできるタイプで、代打の適性は高い。3人ともスタメン出場の可能性もあり、陣容は流動的だ。

◆日本ハム 昨季リーグトップの代打安打(14本)を放った田中賢が引退。穴を埋める候補には右打者の横尾、左打者の谷口が挙がる。横尾はオープン戦でも好調で、谷口とともに昨季は代打でも経験を積んだ。さらに、スタメン出場の力もある両打ちのユーティリティープレーヤー杉谷も控えている。

◆オリックス 若手が務めることになりそうだ。右の代打は24歳西村が有力。21日の楽天戦では左腕松井から2安打を放ってアピール。西村監督も期待を寄せている。杉本や頓宮ら右の長距離打者も先発しない試合は代打で控える。左ではドラフト5位の22歳勝俣が候補。6日巨人戦では菅野から本塁打を放つなど高い打撃力を見せている。