日本ハム栗山英樹監督(58)が、外出自粛中のファンに向けて推薦図書を選出した。

10日、生活拠点を置く北海道・栗山町の「栗の樹ファーム」(一般には閉鎖中)でオンライン取材に応じ「毎回毎回、こういう本を読んで見てというのを出すよ」と予告。今回は、法隆寺の宮大工だった西岡常一氏らが書いた「木のいのち木のこころ-天・地・人」を紹介した。

栗山監督 これに書かれているのは、2000年持つ建物を作るには、2000年の木を使わないといけないんだって。2000年育った杉の木をね。そのために口伝といって、こうするべきだと宮大工がマニュアルみたいなのは絶対に紙に書いちゃいけないみたい。口伝で全部暗記させるんだって。選手を育てているのと一緒だと思った。あの本はけっこう人に渡しているな。

読書家の指揮官は、普段から「読書推進活動」を行っている。新人選手には毎年「論語と算盤」(渋沢栄一著)をプレゼント。シーズンオフには特任教授として籍を置く白鴎大で学生に向けて、選手が読んだ本を勧めることで読書に関心を持たせてきた。

9日には「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治著)を読み直し、知識の幅を広げ直した。「全然本を読まなかったのに、すごい本を読んだら人として前に進んだんですよ、という選手が出てきてほしいな。普段の100倍くらい本読めるでしょ。家にいるんだから」。1冊の本が、自主トレ期間の充実になることを願っている。【田中彩友美】