ソフトバンクが再スタートを切った。19日、ペイペイドームと筑後市のファーム施設で投手と野手が合同練習を再開した。両球場とも午前組と午後組の2班に分かれ、完全なチーム練習ではないが3月末以来、1カ月半ぶりに投手陣と野手陣が顔を合わせた。自主練習期間中は投手を見守っていた工藤公康監督(57)も久々に見る野手陣の状態に手応え。最短1カ月先の6月19日開幕を逆算し、チームのギアを上げていく。

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チームの再出発を見守った工藤監督は満足そうに振り返った。ペイペイドームの午後組の練習後にオンライン取材に応じ、笑顔で手応えを明かした。「人数的には半分になるけど、バッティングや野手の動きも見ることができて良かった。ユニホームを着てみんなで動いて、それなりに緊張感のある中でやってくれた。そういう意味ではホッとした部分もあります」。班ごとの練習で、練習時間も限られるなど制約はあるが、いよいよチームとして動き始めた。

投手陣と野手陣が同じ時間、同じ場所に居合わせるのは、全体練習が解散になる前の3月30日以来だ。4月から続いていた自主練習期間は投手と野手を分離。工藤監督も投手の練習しか見ることができておらず、約1カ月半ぶりに野手陣の動きをその目で確認した。「野手は自主練習期間中、よく走ってよく打っていたという報告の通りに、いい動きをしていた」と目を細めた。

この日は野手がポジションについてのシートノックや、投手が投げた球を打者が打つフリー打撃などが新たに実施された。これまではコーチ陣やチームスタッフも必要最小限しか参加できず、練習メニューはより限定的。バッテリーを組む投手と捕手が直接コミュニケーションを取れないなど、不自由な部分も多かった。今後はシート打撃なども予定されており、ここから徐々に実戦的な練習が増えていく。

NPBは最短6月19日の開幕を目指しており、この日であと1カ月になった。準備期間の短さや開幕までの試合数が少ないことなど調整の難しさはあるが、指揮官は力強く言った。「コロナの状況がどう変化するかによって、シミュレーションはある程度イメージできています」。確かな手応えとともに、4年連続日本一への臨戦態勢を整える。【山本大地】