ヤクルト村上宗隆内野手(20)が、神宮の青空に“未来予想図”を描いた。体調不良からの復帰初戦、練習試合日本ハム戦に4番指名打者でスタメン出場。いきなり初回、初スイングで先制の3ランを右翼スタンド中段まで運んだ。高卒3年目、弱冠20歳で座る4番の椅子。昨季のセ・リーグ新人王が、シーズン開幕に向けて完全復活を印象づけた。
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力強いフルスイングから描かれた放物線は、村上の成長曲線そのものだ。1回1死一、三塁、カウント1-1から日本ハムの先発井口の3球目、内角に巻いてくるような135キロカットボールを捉えた。復帰後の初スイングで、右翼席中段へ先制3ラン。4番の仕事を果たし、球団を通じて「チャンスだったので、何とか結果を出したかったです」とコメントした。高津監督は「体の状態も技術的なことも、数日休んだことが気になっていたが、すごくいいスイング、彼らしいバッティングで安心させてくれた」と喜んだ。
ファンの心配を、一振りで払拭(ふっしょく)した。4日朝に喉の痛みと微熱があり、念のため新型コロナウイルスのPCR検査を実施。5日に陰性と判明し「慢性へんとう炎による発熱」と診断を受けた。周囲は胸をなで下ろし、本人はすでに前を向いていた。6日には、戸田市内の寮の室内練習場で軽く体を動かして再始動。7日からチーム練習に合流し、守備、打撃の練習をこなした。
この日の練習前、監督室に呼ばれた。高津監督に体調や精神面について話した。気遣う指揮官に対し、若武者は「守備につけますし、走るのも全然大丈夫です」と力強く答えたという。実際は指名打者での出場となったが、イニング間には、ベンチからブルペンまでダッシュを繰り返し、試合後の特打練習にも参加。完全復活を印象づけた。
球団史上最年少となる20歳での開幕4番が決定的だ。高卒2年目以内で歴代最多の96打点、同最多タイの36本塁打をマークした昨季から、さらに注目が集まるシーズンとなる。高津監督は「まだ若くて、できないこともたくさんあるが、20年も成長する過程の1年。元気であればずっと試合に出続けて、いろいろなミスをして成長していってほしい」。成長曲線のカーブは、急上昇している。【保坂恭子】



