「アツオ~」がダブルで戻ってきた。ソフトバンク松田宣浩内野手(37)が、開幕決定後のペイペイドーム初の練習試合となったオリックス戦で、5回に左翼席へ先制ソロを放った。さらに7回にも左中間へ2打席連続弾。無観客でも、ライトスタンドに向かって2度「熱男パフォーマンス」を見せた。開幕まで仕上げの地元6連戦の初戦で連弾。新型コロナウイルス感染拡大の影響で約3カ月遅れとなる開幕へ、ベテランにスイッチが入った。
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静かなペイペイドームに松田宣の「アツオ~」の声が「2度」響いた。誰もいないライトスタンドに向かっての「熱男パフォーマンス」。ソフトバンクのベテランが2打席連発で、テレビの向こう側にいるファンに向けて、健在ぶりをアピールした。
5回。オリックス2番手の沢田の4球目。やや内角よりの直球に反応した打球は、誰もいない左翼スタンドで大きくはねた。7回にも、オリックス増井の148キロ直球を見事にとらえて左中間スタンドに運んだ。ともに打った瞬間から一塁側ベンチのナインから歓声が上がるなか、背番号5はゆっくりとダイヤモンドをまわった。
松田宣 速い球に対応できたのがよかった。オープン戦では打っていたが、練習再開後の紅白戦、練習試合で本塁打は出てなかった。開幕前に1本(本塁打が)出るかどうかは大事。あと6試合というところで早めに出て良かった。
3月オープン戦での3アーチはすべてペイペイドーム。開幕が延期となり同20日から始まった練習試合でも即、ロッテ戦(ペイペイドーム)でチーム初アーチを放って「熱男パフォーマンス」を見せていた。再び練習試合再開となった6月2日オリックス戦では頭部に死球を受けたが、もうその残像は頭にない。
新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で開幕が延期となり、プロ野球全体が活動休止となった。その時期に「元気づけたい」と「熱男リレー」を自身のインスタグラムで始め、野球界だけでなく、スポーツ界全体、芸能界にまで広がった。開幕を待ちわびる全国のファンへ、映像を通じて本物の「アツオ~」を響かせた。
試合前の練習、一塁側ベンチ前には王球団会長の姿もあった。練習最後まで立って見続けた。「開幕ダッシュが大事」と話していた会長の姿にベテランのスイッチも入った。「今季の試合数が減っても30本塁打の目標は変えない。挑戦の意味でもあるし、そこを目指してバットを振ります」。昨年まで5年連続全試合出場の「鉄人」は、コロナの影響も、頭部死球の影響も感じさせない。チームの軸としてブレない打撃を続ける。【浦田由紀夫】



