早期昇格誓う。広島野村祐輔投手(30)はプロ9年目で初めて開幕を2軍で迎えることが11日、決定的となった。春季キャンプ序盤に右ふくらはぎを痛めて離脱した影響で、現在も2軍調整中。6日に昨年9月12日中日戦以来となる先発登板を果たしたばかりの右腕が、復活に懸ける思いを語った。

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佐々岡監督1年目の開幕ローテーションに、野村祐輔の名前がない。プロ入りから8年連続で開幕ローテ入りし、17年には開幕投手も務めた。広島の日本人先発投手では最年長で、通算71勝も広島の現役投手では最多を誇る。春季キャンプ序盤に右ふくらはぎを痛め、3月11日に実戦復帰したものの、自粛期間もあったことから本来の感覚はまだ戻っていない。9年目で初めて開幕を2軍で迎えることになるが、下を向かず早期昇格を見据えている。

「一番は悔しいですよね。自分がそこにいないといけないと思っていますし、いられないことは自分に対して悔しい。ケガをしたことはもう帰ってこないので、自分の手でどうにかするしかない」

実戦に復帰して2試合の登板で新型コロナウイルス感染拡大の影響による自粛期間に入ったことで、再びブランクが生じた。6日に阪神との2軍練習試合に登板。先発は昨年9月12日の中日戦以来だった。「ブルペンではできていても、いざ試合となると違う」。打者との駆け引きや状況に応じた投球など、実戦勘にはまだずれがある。ただ、自粛期間は2日に1度ブルペン投球を重ねてきただけに、感覚を取り戻せる手応えはある。「本当あとちょっとなんですよ。そこさえクリアできれば、自分の中で行けると思える」。次回は13日に中日との2軍練習試合で先発が見込まれる。

「6・19」開幕から5日後、31歳となる。実績ある投手が2軍に控えることは、チームとしては心強い。ただ野村に昇格を悠長に待つつもりはない。「もちろん早く上がりたい。急いでいますけど、ちゃんとしないといけない。上がってダメではいけない」。優勝のためには欠かせない戦力。開幕へ向けて盛り上がりが高まる中、静かにその牙を研ぐ。【前原淳】