阪神ドラフト2位井上広大外野手(18=履正社)がプロ初のバックスクリーン弾を放った。プロアマ交流戦のNTT西日本戦(鳴尾浜)に4番で先発。3回2死走者なしでプロ注目の最速150キロ右腕、大江克哉投手(23=花園大)の外角速球をとらえた。

豪快な弾道は、みるみる伸びて、なんとバックスクリーン上部へ。今季の実戦6号に「完璧でした。手伸びゾーンで、一番距離が出るところ。そこでしっかりとたたけたのがよかった」と手応え十分だ。5回は左前適時打で、9回は右前打。13日のプロアマ交流戦・大和高田戦以来、実戦2度目の猛打賞をマークした。

充実の打撃に声をうわずらせたのは、平田2軍監督だ。「見事なホームラン。アウトコースの易しい球じゃない。弾道というか、彼の持ち味である滞空時間の長い、ホームランバッターらしい、田淵さんをほうふつとさせるような。久しぶりに見たよ、バックスクリーン」。阪神の一時代を築いた、通算474本塁打の「アーチスト」田淵幸一氏になぞらえる絶賛ぶりだ。

23日には甲子園で、ウエスタン・リーグのチーム開幕戦オリックス戦に臨む。観客を入れての試合実施に向けて、試験的にファンを入れて行う一戦は4番スタメンが決定。井上は「楽しみ。まずは元気でハツラツとした姿を見せられればいい」と意気込む。昨夏の甲子園で頂点に立った、高校通算49本塁打の大砲候補だ。体に巻きつくようなスイングで大飛球を連発するスラッガーが、まずは2軍公式戦でベールを脱ぐ。