阪神ドラフト1位の西純矢投手(18)が本拠地甲子園デビューを果たし、3回無失点3奪三振と会心の投球で「プロ初勝利」を飾った。

岡山・創志学園の2年生エースとして選手権大会に出場した18年夏以来、約2年ぶりに聖地マウンドへ凱旋(がいせん)。試合後はウイニングボールを手に「(甲子園は)高校2年生の時に出て、3年生では来られなかった。またここで、こうやって投げることができて、本当に自分の中ではすごく特別な球場。そのマウンドでしっかり投げることができて良かったです」と笑顔を見せた。

0-0の4回から2番手で公式戦初登板すると、先頭3番太田への初球にいきなりプロ最速となる150キロを計測。追い込んでからは外角への鋭い136キロスライダーで空振り三振を奪った。続く4番モヤも内角高め150キロ直球で空振り三振に抑え、堂々の立ち上がりを見せた。

2イニング目は初回に見せた力みもなくなった。先頭の6番宗に中前打を許すが、7番大下を遊ゴロ併殺に打ち取った。8番根本には3球勝負を挑み、147キロでこの日3つ目の空振り三振。わずか8球で3アウトを取った。

3イニング目は走者を背負っても落ち着いていた。先頭の代打稲富から連打を浴びて1死二、三塁のピンチを背負うが、3番太田を129キロ変化球で捕邪飛。4番モヤは149キロ直球で押し込んで左飛に打ち取り、窮地を切り抜けた。3アウト目を取るとグラブをポンッとたたき、笑顔でマウンドを駆け降りた。

プロ初の甲子園マウンドは3回37球を投げて3安打無失点。威力ある直球を主体に、ゆったりとしたワインドアップからダイナミックなフォームで打者に向かった。投球後には何度も帽子を振り落とすほどの躍動感で、目いっぱい腕を振った。シーズン開幕までは実戦5試合に登板。23日の練習では「2ストライクと追い込んでから、しっかりと狙ったところにコントロールして、空振りが取れるようなピッチングがしたい」と話していた。3回で3つの空振り三振を奪い、まさしく有言実行の投球となった。【奥田隼人】