英才教育中のロッテ安田尚憲内野手が、打線での存在感を色濃くしてきた。7番三塁で出場した日本ハム戦の7回、井口のスライダーを右翼席へ。2号ソロで勝利を決定づけた。

「練習で下半身を意識して、試合でもいいスイングができるようになってきました」。体が前に突っ込まなくなった打撃に手ごたえを感じている。

数字は如実だ。出塁率+長打率で算出する打撃指標OPSで、安田は今季初めて0・5を超えた。不振の2週間前は0・1台。それでも井口監督が「上のレベルに合わせていかなくちゃいけない選手。我慢も時には必要」と起用を続け、安田自身も必死にもがきながら答えを出し始めた。

ロッテ打線のOPSは1、2番が1・0に迫り、3~6番は0・7台、7~9番は0・5前後の現状にある。指揮官も「1、2番が調子がいいので、4番以降で点を取る方法を考えないと」と打順の再構築を検討する。四球や犠飛も増えた安田が、さらにOPSを高めると頼もしくなる。「7番でしっかり結果を出して、また中軸を任せてもらえるように自分の打席をしっかりやりたいです」。よりマークが厳しくなるこれからが、21歳の踏ん張りどころだ。【金子真仁】

◆ロッテ打線のOPS 開幕直後は井上が7番に入っていたため数値が高いが、現状は打順が下がるにつれOPSも低下の傾向。2番にマーティンを入れ、1番荻野を中軸につなげようとしている。