帰ってきた日本ハムのクリスチャン・ビヤヌエバ内野手が、全力疾走でチームに活力を与えた。左足の打撲から1軍復帰で即スタメン。2回に左翼線二塁打を放ち、犠打で三塁に進んだ。打者中島のカウント2-1の場面で出されたサインは、スクイズだった。

西武高橋光がモーションに入ると同時に、病み上がりのビヤヌエバが本塁へスタート。タイミングが早すぎるようにも見えたが、高橋光は大きなモーションを崩すことなく、ストライク投球。グングン加速したビヤヌエバは、中島が打球を転がした時点で本塁の約5メートル手前まで来ており、スライディングをすることなく本塁を駆け抜けた。スクイズを決めた中島は「ビヤ(ビヤヌエバ)がいいスタートを切ってくれたので、とにかくバットに当てようという気持ちでした。ビヤのおかげです」と最敬礼だ。

自打球を患部に当てた影響で7月30日に登録抹消されていたビヤヌエバは、調整を一足早く切り上げて1軍に合流した。当初は23日の2軍戦で昇格の最終準備を行う予定だったが、栗山監督は「雨で流れたんだから、しょうがないだろ」と見切り発車で合流させた。そんな不安を取り除くような、ややフライング気味の好走塁は、好調なチームをさらに乗せていきそうな予感を漂わせた。【木下大輔】