動きだす人形ならば、動く前にやるしかない。巨人打線が「チャッキー」をしばいた。

中日先発はロドリゲス。ホラー映画「チャイルド・プレイ」シリーズの人形「チャッキー」のニックネームを持つ右腕に、初対決は6回まで無安打。2度目も7回1得点でプロ初勝利を献上。本家の殺人人形のごとく、予想できない動きで暴れ回る直球に手を焼いた。カットしたり、シュートしたり…独特な軌道で首を刈られてきた。

マウンドで不敵に笑うチャッキー。黙っていたらやられる…が、狙いはあった。原辰徳監督は「センターを中心に打ち返していこうと」。同点に追いついた直後の2回1死満塁。言葉通りに坂本勇人内野手は外寄り高めのスライダーを中前へ。2死一、二塁から岡本和真内野手は、同じく外寄りのスライダーを左前へ適時打とした。ナイフのように襲いかかる予測不能な直球でも、3度目ならある程度軌道が分かる。束になれば…相手の上をいった。

チャッキーに2戦連続で無安打に陥れられていた2人を中心に、この回5得点。息の根が絶えるのは時間の問題だった。原監督は「手ごわい、力のある投手を打てたというのは大きいと思います」。第8弾まで展開する「チャイルド・プレイ」。中日が誇る恐怖のチャッキーを、第2作で公開中止とした。【栗田尚樹】

◆チャッキー 世界中に多くのファンを持つホラー映画「チャイルド・プレイ」シリーズに登場する殺人人形。殺人鬼が瀕死(ひんし)状態の中、人形に魂を移すことに成功。人々を恐怖に陥れる「チャッキー」が誕生した。人形が動きだし、人間に襲いかかる非現実的な話で、シリーズ第8弾まで公開されている