東北公益文科大(山形)抑えのエース右腕・新山寛太投手(4年=横手城南)が連勝発進を導いた。

9回裏に4-2と迫られた1死満塁で救援登板。一塁手の判断ミスなどで同点にはされたが、10回裏のタイブレーク(無死一、二塁から開始)をピシャリ。相手スクイズを本塁でアウトにするなどフィールディングの良さも披露し「1年春から投げさせていただいた経験も自信もある。いつでも投げる準備は出来ています」。前日29日の2回無失点に続き、1回2/3無安打無失点で開幕カードを2戦連続で締めた。

今春限りで引退予定だったが、コロナ禍で中止になったことで継続を決断した。だが、野球は大学限りと決めている。「将来は地元の秋田県をもっと活性化するために自分で起業したい」。178センチ、93キロの体格から繰り出す豪快な投球フォーム同様に、夢もビッグ。経営なども学べる企業に就職する予定だ。

昨秋は10季ぶり2度目のリーグ優勝も、東北地区代表決定戦で仙台大(仙台6大学)に敗れ、明治神宮大会出場を逃した悔しい思いもある。「自分にとっては野球人生の集大成でもある。必ずリーグを制し、決定戦も勝って神宮に行きたい」。後輩たちに大舞台の経験を積ませる使命も担う。

ドラフト候補の最速153キロ右腕・赤上優人(4年=角館)に加え、この日リーグ初先発の最速147キロ右腕・森崎達也(3年=大分南)も好投。投手陣の手応えは十分。苦しい場面は“公益の大魔神”が立ちはだかる。【鎌田直秀】