千葉・勝浦出身の巨人丸佳浩外野手(31)の血が騒いだ? 9月18日から開催予定だった「勝浦大漁まつり」は新型コロナウイルスの影響で中止。毎年この時期に“たぎる”男が、2回に右中間へ14号ソロを放ち、チームの4連勝へ大きく貢献した。首位を独走するチームは2位とのゲーム差を今季最大の7・5に広げ、最短で優勝マジック「44」が、6日にも点灯する。

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千葉・勝浦出身の丸は「友達のお父さんが、漁業やられている人もいて、船に乗せてもらった記憶もある。本当に海は身近なものですね」と潮風が懐かしい。ましてや夏場であれば“勝浦人”として、いつも以上に力が入る。毎年、勝浦漁港付近では4日間にわたり「勝浦大漁まつり」が行われる。漁師町に集う男たちがみこしを担ぐ、血気盛んな姿…。今年は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、勝浦の人間として「血が騒ぐ」と言うように、沸き上がるものがある。

ハッピは着てなくとも、熱い魂がバットに乗り移る。円陣を組み、チーム全体で「○」を作った0-0の2回。1死から丸は「ここ最近はワンスイング目である程度前にちゃんとした打球を飛ばせている」と自信があった。2ボールからの3球目は抜けたチェンジアップ。ファーストストライクが“網”にかかれば“獲物”は取り逃がさない。右中間への14号ソロが着弾するやいなや「大漁旗」ならぬ「応援旗」が続々とスタンド上で掲げられた。

ハッピにはちまきが、祭りの男たちの衣装。試合前の円陣では岸田が、帽子の上に「必勝」のハチマキを巻いて声だし。勝浦の男の活躍を予言していた? 波に乗るように、丸は敬遠を含め、4打席全てで出塁。原監督も「このところ丸が非常に調子がいいというね、まあ先陣を切って口火を切ったホームランというのは大きかった」と9月の丸に目を細める。まだ今月に入り、2試合消化しただけだが、9月は打率6割と止まらない。チームは4連勝を飾り、最短で6日にも優勝マジック44が点灯する。連覇の道筋も見えてきた。たぎる血の赴くまま、丸が暴れ回る。原監督のみこしを担ぐため。【栗田尚樹】

◆勝浦大漁まつり 4日間にわたって千葉・勝浦漁港周辺で行われる秋祭り。江戸時代後期が起源とされる。1日目は「村回り」と称し各地区を練り歩き、2日目に行われる各地区から集結した19基のみこしの「一斉担ぎ」は見もの。4日目には岸壁に着けられた数隻の船の間でみこしを渡す「みこしの船渡し」が行われる。漁師町ならではの威勢の良さを感じられるのが魅力。

▼首位巨人○、2位阪神●の結果、2位との差が今季最大の7・5ゲームに開いた。巨人は早ければ6日にも優勝マジック44が点灯する。M点灯の条件は巨人が3日DeNA戦、4~6日阪神戦に4連勝し、阪神が3日ヤクルト戦に●か△、広島が3日中日戦に●で、4~6日の広島-DeNA戦が広島の2勝1分けになること。