「剛腕」のイメージから、巨人沢村拓一投手は豪快な男に見られがちだが、ユニホームを脱げば心優しく、繊細で、ピュアな男である。2年前、内海の西武への人的補償が発表された日、電話で大号泣した。「内海さん…。悲しいです…」。おえつをもらし、言葉は途切れ途切れ。コンビニで買い物中だった内海は「ちょっと、待って」と一瞬耳から離したが、実は目は真っ赤で、店員に見られるのを避けるためだった。

今年7月、熊本県を中心に襲った「7月豪雨」では、衝撃的な映像と多大な被害に心を痛めた。「今、何が足りないのか。自分に何かできることはないですか」と、知人やネットなどで現地の実情を検索。「仮設住宅の予算はどれくらいですかね?」と真剣にネットで調べた。「僕が少しでもお力になれるなら、日本一を達成して、シーズン後に行きたいと思います」。その誓いを新天地ロッテでかなえる。【久保賢吾】