ソフトバンク和田毅投手(39)が最多勝と最高勝率のタイトルを取った16年以来、自身4年ぶりのシーズン5勝目、通算135勝目を挙げた。

楽天打線を6回途中まで6安打無失点。打線が大量得点する援護にも恵まれ、通算141勝の涌井と通算勝利数で現役2、3位による投げ合いを制した。

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初回の強気の攻めからベテランの気迫が伝わった。1死一塁で打席には主砲の浅村。直球2つで追い込むと、最後も高めへの直球で空振りを奪い、3球三振に仕留めた。魂のこもった投球が味方打線の爆発を誘った。

2回以降も走者は出しても粘った。4回2死二塁では田中からこの日5個目となる空振り三振。これが日米通算1700個目の奪三振となった。6回2死を取ったところで100球を超え降板。「味方打線が先制してくれて、とても心強かったです。球数は多くなってしまいましたが、0点で次のピッチャーにつなぐことができて良かったです」。6回途中無失点の好投で約1カ月ぶりとなる今季5勝目を手にした。

今季2度目のマッチアップに燃えていた。楽天涌井は通算141勝で現役投手2位。和田は試合前時点で同3位の134勝だった。2人合わせて275勝の対決に「相手はワク(涌井)ですし、本当にいいピッチャー。我慢比べというか、なかなか点の取れない投手ですから」と気合が入っていた。前回対戦した8月5日は涌井が9回1死まで無安打無失点という完璧な投球を見せる中、和田は5回に一挙3失点。悔しさのあまりベンチでグラブを投げつけるほどだったが、この日は雪辱を果たした。

和田が5勝以上を挙げるのは15勝5敗で最多勝、最高勝率を獲得した16年以来4年ぶりだ。18年には1試合も投げられなかった左肩痛も乗り越え、「1年間、先発ローテーションを守る」と掲げた目標を実践している。シーズンも残り半分を切り、このまま最後まで走り抜けるだけだ。

チームは連勝で2位ロッテと0・5差のまま単独首位を維持。終盤戦もベテランの力が大きなカギとなる。【山本大地】