プロ野球ドラフト会議が26日、東京都内で開催される。駒大主将の若林楽人外野手(4年=駒大苫小牧)は、今秋の東都大学リーグ6戦4本塁打と好調。遠投125メートル、50メートル走5秒8の俊足を兼備した3拍子そろったプロ注目の外野手だ。ドラフト上位候補で高校の1学年先輩、苫小牧駒大の伊藤大海(4年=駒大苫小牧)との同時指名を待つ。札幌学院大の最速148キロ左腕・近藤廉(4年=東京・豊南)は、札幌6大学リーグ2部からのプロ入りを目指す。

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打って走って守る。絶好調男、駒大若林は泰然と、その時に備える。既にプロ5球団から調査書が届いた。「やることはやってきた。大きな期待はせずに、あとは待つだけ」。ドラフト前最後の公式戦となった7日の東都大学秋季リーグ中大戦では、2回に流れを引き寄せる左越え3ランを放つなど3安打3打点。複数球団のスカウトが視察する中、最後のアピールを完了した。

願うのは“アニキ”との同時ドラフト指名だ。コロナ自粛の期間は実家の白老町に帰省。5月には苫小牧駒大の伊藤とともにキャッチボールや自主トレーニングをしながら体力を維持。1日限定で苫小牧駒大の練習にも参加した。「1度大学を辞めてまた活躍している姿に刺激を受けた。リーグ中断後、大海さんに『そろってプロにいけたらいいね』と言われた。大変な時期にお世話になった。何とか実現できたら」と思い描いた。

高校時代は1度も全国舞台を踏めず、大学経由でのプロ入りを目指し駒大に進学した。だが、昨秋のリーグ戦は打率1割台。1番打者として出塁率にこだわるあまり「四球も選べるようにと考えるうちに打つポイントが近くなっていた」。3年時に1度プロ入りはあきらめたが、コロナ自粛で考える時間が増えた。「もう1回、やれるだけやってみよう」。直球に押し込まれないよう「一番力が伝わるところで打とう」とポイントを前にずらすことで一気に、打撃開眼した。

リーグトップの4本塁打も、主将としてけん引するチームは6戦1勝5敗の5位。27日からの残り4戦に向け「指名を受ければ盛り上がる。それをきっかけにチームにも勢いを与えられたら」。中学、高校、大学と主将を経験してきた。常にリーダーとしての役割を頭に入れながら、夢舞台を思い描く。【永野高輔】

◆若林楽人(わかばやし・がくと)1998年4月13日、白老町生まれ。5歳から野球を始める。白老町緑丘小1年から白老町緑丘ファイターズ、小6で日本ハムファイターズジュニアにも所属。白老中3年時に投手兼二塁手として全日本少年軟式大会ベスト16。駒大苫小牧では1年秋から背番号5でベンチ入り。2年春の全道大会は1番外野手で準優勝。駒大では1年春にリーグ戦デビュー。目標の選手はヤクルト山田哲、ソフトバンク柳田。家族は両親と兄2人、妹2人。177センチ、75キロ。右投げ右打ち。