中日の吉見一起投手(36)が1日、ナゴヤ球場で、引退を発表した。5日に会見を行い、今季本拠地最終戦となる6日のヤクルト戦で引退登板、引退セレモニーが行われることも発表された。

ナゴヤ球場での2軍居残り組の練習に参加した吉見は、笑顔を見せながら汗を流した。「今シーズンを持って引退することになりました。体は元気なので、まだプレーヤーとしてやりたい気持ちもありますが、ここ数日、家族とも相談し、いろいろ考えた末、将来、指導者もしてみたい気持ちもある。次へのステップに移行することも考え、決断しました」と話した。肩、肘の故障に悩まされた。08年から2度の最多勝を含め、5年連続2ケタ勝利。だが13年に右肘の靱帯(じんたい)再建のトミー・ジョン手術を受けた後は、2ケタ勝利はならず。10月30日に現役引退を決意し、同31日には与田監督に直接伝えた。

練習開始前には、コーチ、選手、関係者にあいさつ。「今日は(2軍)本隊がいなくて、リハビリ組が多かった。僕もたくさんケガをした人間。体験、経験を話した。体が元気でも日頃からケアをして。自分の体を大事にして欲しいことを伝えた」と後輩を気遣った。

引退登板は本拠地最終戦。「応援していただいたファンの方の前で投げるのも最後。家族にもしっかり投げる姿を見せたい。ストライクが入るかどうかわからないけど(笑い)」。常勝の落合中日時代の象徴だった右腕は、笑顔で会見を締めくくった。【伊東大介】