今季限りで退団する阪神能見篤史投手(41)が最終戦の9回に登板し、ラストピッチングを飾った。先発の藤浪晋太郎投手(26)ら4投手が無失点リレーでつなぎ、最後の舞台を整えた。

 

以下、阪神能見の一問一答。

 

-どんな1日だった

そうですね。16年本当にお世話になった球団で、本当に感謝しかないところでの最後のマウンドということで。なんか、楽しめたというか、半分ドキドキしながら、まさか1-0で回ってくると思ってなかったので、その両方を兼ね備えて投げてましたね。

 

-先発藤浪から始まりいい流れで回ってきた。後輩たちのピッチングはどう感じたか

頼もしくて見てるだけだったんで、その後行ってくれた馬場もそうですし、(伊藤)和雄もそうですし、もちろんサダ(岩貞)もそうですけど、なんとかつないでくれて。8回にまさか点を取ってくれるという最高のところで、緊張感はすごい増しました。

 

-今日の投球を振り返って

感謝の思いっていうところで、ファンの方もそうですし、もちろん球団もそうですし、そういう思いを心にしまいながら、なんとかいい姿で最後お見せしようと思って、そんな感じで上がりました。

 

-ワイドアップで投げた

それはもう決めてたんで。恩返しというか、もともとね、テレビとか、映る姿もそこをアップにして撮ってくれたりとかっていうのもね、すごくあって、なんとかそれを実現しようと思って。9回って決まってたので、そういう意味ではランナーいないところで投げられる。

 

-最速149キロだった

ちょっと先頭出てヒヤヒヤしたんですけど、なんとか運良くゲッツーになったので、もう1度ワインドアップできるなということで最後は楽しませてもらいました。

 

-試合も勝って終わった。その瞬間は

うーん。そうですね、終わったなっていう感じもあんまりしてなくて。ちょっと休んで練習出るんかなみたいなそんな感じやったんですけど、これからちょっとね、そういったのも徐々に感じてくるんだと思います。本当にファンの方もそうですし、やっぱり感謝しかないなと思います。

 

-梅野や岩貞の目が潤んでいるようにも見えた

いや、まさか大山まで泣いてるとは思わなかった(笑い)。梅野もマウンド来た時からもう泣いてたので、うれしいなと思いながら。

 

-その後にグラウンド1周

退団という形なのに、そうやっていい雰囲気で場所を作ってくれたのでありがたかった。

 

-阪神での16年間を振り返って

苦しい時の方が多いんですけど、それでも16年間出来たというのはなかなか想像してなかったですし、その中でもファンの方の力であったりとかは、非常に力になったというのはあった。16年間でいろんなキャッチャーに受けてもらったんで、それはなかなか出来ないことだなと思って。長くしないといろんなキャッチャーに受けてもらえない。一番の財産かなと。

 

-最後直球で三振。未来につながる直球ととらえていいか

僕はそのつもりで投げたんですけど。フォークで空振りをとろうと思っていたんですけど、バットにしっかり当てられてたんで。結果的に良かったです。

 

-まだ投げ続けたいと思ったか。

はい。見ての通り元気なので。まだまだもう少し納得いくところまでやりたい。

 

-チーム最年長として若い投手に伝えたいことは

悔いなくやってもらうのが一番ですし、16年間お世話になりましたけど、短いもので、しっかりと戦力になってる間ってすぐ終わってしまうので、1日1日を悔いなくやってほしいなと思います。

 

-チームメートが試合前に能見Tシャツを着たり、記念撮影があったり

球児の次やったから、もうバレバレで。逆に先に行ったろと思って。先に行ってみんなを待ち構えようかなと。そんな感じだったので。

 

-嫌がっていた抑えのマウンド

抑えちゃう。たまたま。まあ、まさかのそういうところで回してもらえるとは。

 

-舞台が用意されたのも運命では 

どうなんですかね。まあでも、こういう巡り合わせで。なぜか大阪ガスの後輩のチカ(近本)がしっかり打って先輩に回して、とんでもないプレッシャーをかけてくれました。いい巡り合わせもありましたし、本当に球場のファンの方々がそういうのを引き出してくれたのかなと思います。

 

-岩貞にウイニングボールを渡した

「サダが7勝目なので、ちゃんと渡そうと思ったら、1回拒否られたので。僕のために取っておいてください、という感じだったので。

 

-結局渡せたのか

はい。僕の意志とともに。

 

(最後に)

引退じゃないんだから。