日本ハムのドラフト3位、上武大・古川裕大捕手(22)が、開幕1軍を最低ラインに定めた。20日、群馬・高崎市内のキャンパスで契約金5000万円、年俸900万円で仮契約。チーム待望の打力兼備の即戦力捕手は、正捕手への素質を評価されている。担当の高橋スカウトと縁で結ばれたルーキーが、北の大地で羽ばたく。(金額は推定)

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ほとんど表情を崩さず、プロでの最初の誓いを立てた。古川は「(開幕スタメンは)まだイメージは湧かないですけど、出来れば。(開幕1軍を)目標にやっていきたい」と、真っすぐなまなざしで定めた。即戦力捕手として、多くの期待を背負いプロ人生をスタートさせる。

強肩強打で、攻守で高い能力を持つ。上武大3年秋には首位打者を獲得。送球の二塁到達は最速1秒82を計測し、速さと正確性を兼ね備えていることを持ち味にしている。「キャッチング、スローイングを、もう1段階レベルアップできるようにしていきたい」と貪欲。「捕手として、まずは信頼されないと(試合に)出られない」と、投手とコミュニケーションを図っていく。

正捕手争いを激化させるキーマンになる。今季は宇佐見、清水がマスクをかぶる機会が多かったが、確固たる正捕手は不在だった。大渕スカウト部長は「捕手陣のレベルをアップさせる人物として適役」と説明。自身を「負けず嫌い」と言い切る古川は「(闘志を)前面に出して、貪欲にやっていきたい」と静かに燃えている。

人間性は、高橋スカウトのお墨付き。同スカウトの息子は古川と同学年で、野球部でチームーメートだった縁がある。息子を通じて人柄は確認済みで「誠実、真面目。九州の人間なので、ちょっと武骨というか男、男というところが大好きです」と、ほれぼれ。九州男児、古川は地に足着けて、プロの道を歩き出す。【田中彩友美】

◆古川裕大(ふるかわ・ゆうだい)1998年(平10)6月19日、福岡県八女市生まれ。八女長峰小時代に長峰クラブで野球を始め、久留米商では甲子園経験なし。上武大3年秋に関甲新学生リーグで打率4割5分2厘をマークし首位打者を獲得。同年に侍ジャパン大学代表に選出される。家族は両親と妹、弟。182センチ、88キロ。右投げ左打ち。