巨人菅野智之投手(31)が、日本最高峰の「エース対決」に敗れた。6回を投げ、6安打4失点。150キロ台後半の速球を軸に7回3安打無失点と好投した千賀に対し、コーナーに投げ分けながら、ゲームは作ったが、日本一をかけた短期決戦では勝敗が全てで、エースは敗戦の責任を背負った。

全失点を栗原のバットから奪われた。2回無死一塁、2ボールからのスライダーを右翼席に2ラン。2点ビハインドの6回2死一、三塁では2-1からのフォークを左中間へ2点適時二塁打を浴びた。宮本投手チーフコーチは「カウントを悪くしていかれた。しいていえばボールが高かった」と痛打の原因を挙げた。

待ち望んだリベンジの舞台だった。昨年は腰痛の影響で第4戦に先発。大事な初戦に投げられず、4連敗で屈した。勝利のみを求めた一戦で敗れたが、2戦目以降への布石も打った。軸となる3番柳田の1打席目は4球連続の内角攻めで空振り三振。2打席目も初球に150キロの速球で懐を攻め、残像を残した。

試合後、菅野は広報を通じ「次のチャンスがあると思うので、それに向けてしっかりと調整します」と短い言葉に思いを込めた。球数は87球。原監督は「トータルでというところを考えての最善策」と説明したように、今季初となる中4日で第5戦に先発する可能性が膨らんだ。

自身初の日本一に向け、フル回転の覚悟を決め、今シリーズに臨む。13年の日本シリーズでは楽天田中将大が第2戦、第6戦に先発し、第7戦にもリリーフし、日本一に輝いた。宮本コーチは「1(戦目)5(戦目)7(戦目)、そういったところも考えられる。臨機応変にね。彼も準備はしていると思います」と代弁した。巨人の巻き返しには、絶対的エースの力が不可欠となる。【久保賢吾】

▽巨人宮本投手チーフコーチ(菅野について) 強いて言うなら、ボールが高かった。でも調子は悪くなかった。責任を感じていたと思う。智之でも球は高くなるし、力むということ。